榊原郁恵・夏の定番とおすすめ
タイトル |
解説 |
おすすめ度 |
「夏のお嬢さん」(1978年7月、シングルA面) |
言わずと知れた定番です。聴くと元気がみなぎります。
かつて、朝日新聞の連載記事で、作曲家・宮川泰さんが、
「『アイスクリーム ユースクリーム』のところなんか、郁恵の顔がチョコ味のアイスに見えて、
ペロッとなめてみたくなるね」なんておっしゃってましたっけ。もちろんこれは最高の賛辞です。
(ちなみに、I scream, you scream = 私は大声で叫ぶ、あなたも大声で叫ぶ =
という意味だ、ということは、ご存知でしたか?)
それから、この曲は郁恵さんが風邪気味で、声の調子が悪いときにレコーディングされた、
というエピソードもありました。
でも、「男性人称」(女性歌手が、男性が女性に向かって話す設定の曲を歌うことを指しています)
のこの曲には、それもかえって好都合になりました。勢い、というものは、おそろしいものです。
さらに、歌詞にも、スケートボードなど、当時の流行が色濃く反映されている点で、
榊原郁恵の曲としてはきわめて異色である、ということができます。
レコード(Q盤シリーズにあり)を探してもいいけれど、夏の曲特集のラジオ番組でもよくかかりますよ。
でも、一歩進めて、カラオケで歌ってみる、というのはどうでしょう。
通信カラオケでもメーカーによってはいっていたりなかったりするのがちょっとさみしいのですが、
メーカーを変えて探してみてください。
ただし、はっきり言ってテンポがとても速いので、ついていけなくなっても当局は一切関知しません。
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★★★★★ (★5つが満点) |
「ラブジャック サマー」(1979年7月、シングルA面) |
「夏のお嬢さん」の2番煎じを狙った作品です。
作詞・作曲者も「夏のお嬢さん」と同じ、笠間ジュン・佐々木勉(故人)の夫婦コンビ。
悪くはないのですが、ちょっとインパクト不足でした。
なにせ郁恵さんは、ジゴロと付き合いそうな気はしないですもんね。
それから、まだ独特のクセのない頃の井上鑑さんのアレンジも聴くことができます。
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★★ |
「太陽のバカンス」(1981年6月、シングルA面) |
作曲家・森田公一さんいわく、「イタリアン・ポップス調をねらった」一曲。
残念ながら、ミュージカル「ピーター・パン」の初演に隠れ、
「紅白歌合戦」でも歌われなかったので、知名度は低いかも知れません。
しかし、榊原郁恵としては数少ない筒美京平作品であり、結構かっこよくできた曲です。
ちなみに作詞は三浦徳子、編曲は萩田光男と、当時のトップクラスが勢揃いしています。
Q盤シリーズにもはいっていたかも知れませんが、
中古レコード屋でドーナツ盤を探すのもおすすめ。
見つかる確率、はっきり言って高いです。(^_^;)
この曲もテンポはちょっとはやめ。
歌ったときの気持ちよさは「夏のお嬢さん」以上だと思うのですが、
カラオケにははいってないのが残念。
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★★★★★ |
アルバム『虹彩(にじいろ)』(1983年6月) |
郁恵さんは、夏っぽいシングルはそこそこあるけど、
オリジナル・アルバムとなると、これがほとんどない。
そんな中で、異彩を放っているのがこのアルバム。
いままでにあげたシングルとはちょっと違って、
夏をバックに、「女性」の繊細な心理を表現しています。
そして、その「さわやかな泣き節」が完成をみた、という意味で記念碑的な一枚です。
特に女性におすすめ。
伊藤アキラ、山川恵津子、竜真知子、三浦徳子、馬飼野康二、林哲司、阿里(あり)そのみ、松宮恭子など、
榊原郁恵と気の合った作家が、本当にいい曲を提供してくれています。
アレンジも林哲司のほか、榊原郁恵と相性抜群の若草恵などが活躍しています。
そして、これは私見ではありますが、その自然さ、さわやかさなど、
「このアルバムが後の歌手・今井美樹のあり方に、多大な影響を与えている」
というのは言い過ぎでしょうか?
これも、廃盤になっていますので、中古レコード店でLP盤を探していただく必要があります。
ただしこちらはあまり出まわっていないので、なかなか見つからないかも。
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★★★★★ |